東日本部会の開催(リマインド)

会員各位

既にご案内の通り、以下の要領で東日本研究部会を開催します。奮ってご参加ください。

日時:2017年4月8日(土曜日)13:00~17:35

場所:専修大学神田キャンパス 5号館4階541教室
(東京都千代田区神田神保町3-8 九段下(東西線・都営新宿線・半蔵 門線)もしくは神保町駅(都営三田線・都営新宿線・半蔵門線)徒歩3分、水道橋(JR)徒歩7分)
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/access.html (ページ内の「神田キャンパスへのアクセス」をご覧ください)


プログラム
(1)招待講演13:00~14:30
青山和夫(茨城大学教授)「マヤ文明の発展、衰退とレジリアンス:グアテマラ、セイバル遺跡の最新の研究成果」 
コメンテイター:木村秀雄(東京大学名誉教授)
趣旨:新学術科研「古代アメリカの比較文明論」(平成25~30年度)の代表者である講演者に、同科研プロジェクトの最新の成果についてお話ししていただく。

(2)研究報告14:45~17:35
・報告[1]14:45~15:35
塚本美穂「¡Yo!における声の多重性」
発表要旨:Julia Alarez作¡Yo!(1997)は、主人公Yoについて書かれた自分物語である。Yoの周辺の人物たち、Yoの姉妹、両親、恋人、大学教授、ホモの大学教授の恋人、ヨが教える大学の学生、Yoがドミニカ共和国に行った時の別荘の管理人、別荘の夜警、米国でのヨのアパートの大家さんなど16人にもわたる人々が登場する。これらの人物はすべてYoについて物語る。しかしながら作中にはYoの語りが非常に少ない。この周囲の声を挿入する手法は、ミハイル・バフチンが声の多重性として提起したポリフォニーを思い起こさせる。¡Yo!の場合、16人の登場人物の声はそれぞれ独立しており、ストーリーを牽引する役割を担っている。周囲の登場人物が、それぞれの声で第一人称の語りを用いることで、互いに相関性を持たない登場人物たちがヨという人物を介して、自らを表象する技法が作品に持ち込まれている。本報告では、ヨの周囲の人物が発する発話を通してYoの描写を中心に考察する。また彼らがYoと接触する過程において、Yoから受けた影響および人物の心的変化を分析する。

・報告[2]15:45~16:35
石田智恵(早稲田大学)「アルゼンチンにおける強制失踪の暴力に抗する市民社会の運動」
発表要旨: 1970年代後半アルゼンチンで制度化された市民に対する暴力(とりわけ強制失踪)に抗する市民社会の運動は、国家政策との相互作用のなかで独自の展開をみせてきた。本報告では、2015年以降にブエノスアイレ ス市内で実施した調査に基づき、人権問題を重視した前左派政権(2003-2014)から現右派政権への政策転換の影響に注目しつつ、近年の「人権」をめぐる社会状況への接近を試みる。具体的な組織の活動を複数紹介し、市民社会と公的政策の接近・合流・対立、市民社会内の対立のあり方等の論点を提示する。

・報告[3]16:45~17:35
武田和久(明治大学)「インカという統治モデル ―スペイン領アメリカにおける植民地政策およびキリスト教布教との関連で―」
発表要旨:従来、スペイン人征服者たちは、植民地体制の確立のために、アメリカ先住民の在来の政治、経済、社会制度を徹底的に破壊したとされてきた。また先住民の改宗にあたっても、キリスト教宣教師たちは、彼らの異教的文化や慣習の根絶に力を注いでいたとされてきた。しかし、より円滑な支配や布教を目指す時、征服以前の「先住民文明」をモデルにしようという思想的潮流があった事実に、近年注目が集まっている。本発表ではインカを事例に、征服者や宣教師たちがそのいかなる部分に着目し、活用を試みていたのかを論じる。


問い合わせ先:
理事 久野量一(rkuno@tufs.ac.jp)
理事 井上幸孝(takaio@isc.senshu-u.ac.jp)