日本ラテンアメリカ学会 西日本研究部会 開催のお知らせ(2月17日)


日本ラテンアメリカ学会西日本研究部会では、以下の要領で、研究会をオンライン開催い たします。ふるってご参加ください。
発表者4名のうち、2名の方々がメキシコおよび米国からの参加となりますため、時差を考 慮し午前中からの開催といたします。

【開催日時】2024年2月17日(土)10:00-13:30

【プログラム】(敬称略)
■ 発表1(10:00-10:45)
発表者:黒宮亜紀(El Colegio de la Frontera Sur メキシコ南部国境大学)
発表題目:メキシコ移民政策に関する地方行政機関の役割と国際機関との関係-チアパス 州タパチュラ市の事例
質疑応答

要旨:チアパス州タパチュラ市政府の行政におけるメキシコ移民政策の影響および移民に 関する国際機関との協力関係の影響を、実際に移民の人々と交流する行政職員の対応とそ の視点から分析する。特に、国際機関の協力関係とその目的がどのように地方自治体が実 施する移民支援プログラムの計画や実施にて具現化され、さらにそこに内在する矛盾や欠 損をどのように補いながら、行政職員によって実行されているのかを、聞き取り調査およ び参与観察から得られた質的データをもとに明らかにし、移民政策における地方行政の責 務、役割、その限界を探る。

■ 発表2 (10:50-11:35)
発表者:福間真央(関西外国語大学)
発表題目:米墨国境の先住民族クミアイのトランスナショナルな連帯と政治的アイデンテ ィティの形成
質疑応答

要旨:米国のカリフォルニア州とメキシコのバハ・カリフォルニア州を跨いで居住する先 住民族クミアイは1980年代以降、国境を超えた連帯の動きを加速させている。本発表では 、クミアイのトランスナショナル化の歴史的背景およびその実態を明らかにするとともに 、このような動きに関して政治的アイデンティティという概念をもとに考察を加える予定 である。

■ 発表3(11:40-12:25)
発表者:鋤柄史子(バルセロナ大学社会人類学専攻博士後期課程)
発表題目:ツォツィル語文学創作プロセス: 交差する文字、翻訳の身体性
質疑応答

要旨:本発表では、メキシコ、チアパス州サンクリストバル・デ・ラスカサス市を拠点に ツォツィル語とスペイン語のバイリンガル文学を書く現代作家たちの活動に関して行った フィールドワーク、およびその作品に対する文学批評的研究の成果報告を行う。モノとし ての文字と本、バイリンガル文学実践のジレンマと可能性、翻訳を含む文学行為の身体性 などをキーワードに文学創作のプロセスを追究し、口承文芸とは異なる記述としての表現 や戦略的な自己翻訳の手法について議論を展開する。

■ 発表4(12:30-13:15)
発表者:穐原三佳(神戸市外国語大学)
発表題目:現在進行中の歴史」を語る−A. カルペンティエルの『ノアの最後の旅』をめぐ って−
質疑応答

要旨:アレホ・カルペンティエルの初期のラジオドラマ『ノアの最後の旅』(El último viaje de Noé, 1940)をとり上げ、作家が同時期にキューバで発表した新聞・雑誌記事や書簡等を参照しながら考察を加える。特に、作品に色濃く反映されている第二次世界大戦と いう歴史的文脈に着目し、進行中の歴史を「近すぎる視点」から書くことがどのようにラ ジオの筋書きに作用したか、さらに、その後の作家の創作に及ぼした影響についても検討 を行う。

【参加申込先】
参加を希望される方は2月12日(月)までに以下のフォームよりお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdRzSxDXtIB_05Hc_w_AUz_y7AF29nL0yk_R qTOgizz1m-zLQ/viewform?usp=pp_url
ZOOM招待URLを送信いたします。

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西日本研究部会担当理事 宇佐見耕一 北條ゆかり
西日本研究部会運営委員 安保寛尚