会員新刊情報

浅香幸枝編『地球時代の多文化共生の諸相:人が繋ぐ国際関係』

行路社、南山大学地域研究センター共同研究シリーズ1、2009年3月
375頁、ISBN978-4-87534-418-6 2,800円+税

2006年度~2008年度南山大学の地域研究センター共同研究「多文化共生の諸相:ラテンアメリカと日本の日系ラテンアメリカ人社会の事例から」(代表:浅香幸枝)は、11名の本学教員を横断的に結び8名の学外研究者、3名の日系人大使の参加も得て行われた。多文化共生できない問題点を指摘する研究が多い中、実際に成功している多文化共生の事例から法則なり手法を導き出したこと、近代化のモデル=欧米というパラダイムに対して「多文化共生」という視点から再考を迫り、21世紀の諸文化のあり方を展望した。執筆者15名で、以下の構成である。(*印は本学会の会員である)

まえがき………浅香幸枝*

第1部 多文化共生政策
第1章 日本の多文化共生政策……………………………浅香幸枝*
――内発的発展論の視座から
第2章 ブラジルにおける多文化共生政策について………二宮正人
――比較法的側面を手掛りとして
第3章 アルゼンチンの多文化共生政策……………アルベルト松本*
――隣国移民政策から日本の移民政策を考える

第2部 多文化共生の諸相
第4章 すべての子どもたちに学ぶ歓びを…………………松本雅美
――ムンド・デ・アレグリア学校の挑戦
第5章 ビジネスにおける在日日系人の挑戦
…………………………コンダカル・ラハマン
第6章 多文化共生を求めて………………………………梶田純子*
――オールドカマーとニューカマーの共存の事例
第7章 在日ペルー人の宗教行事「奇跡の主」……………寺澤宏美*
――異文化受容の視点から
第8章 YOSAKOIソーランが繋ぐ「ブラジル」と「日本」………渡会環*

第3部 多文化共生の歴史と概念
第9章 インカ帝国における多民族・多文化状況…………渡部森哉*
第10章 アステカ帝国と周辺諸民族との関係……………井関睦美*
――中心と周辺の視点から
第11章 多文化共生社会における地域アイデンティティの意味
……………………………………河邉真次*
―メキシコ・ワステカ地方先住民社会の多文化共生史の視点から
第12章 江戸の多文化共生パラダイム………………アッセマ庸代

第4部 多文化共生の架け橋:日系人大使との対話
第13章 パラグアイにおける日本と日系人
………………………田岡功(駐日パラグアイ大使)
――移住者として市長として大使としての体験から
第14章 移住者が繋ぐ両国関係
…セイコウ・ルイス・イシカワ・コバヤシ(駐日ベネズエラ大使)
――多文化共生―相互理解と対話  通訳:アルベルト松本*
第15章 多文化共生の架け橋
……マサカツ・ハイメ・アシミネ・オオシロ(駐日ボリビア大使)
――移住者が繋ぐ両国関係  通訳:アルベルト松本*

あとがき………浅香幸枝*

多くの会員諸氏に読んでいただければ幸いである。 浅香幸枝(南山大)