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石井章著『ラテンアメリカ農地改革論』学術出版会、2009年11月

本書は第 I 部 第1章で、ラテンアメリカの農地改革全体のサーヴェイを行なった後、第2章でラテンアメリカ域内の各地域による社会経済構造の違いが、農民運動の展開や農地改革の実施といかなる関わりを持つかを論ずる。エヒードはメキシコの農地改革で導入された独特の土地制度であり、農村社会の一単位である。

第 II 部ではエヒードを中心視点としてメキシコの農地改革をさまざまな角度から扱う。
第 III 部では、第8章でペルー国内の地域差、農村部の社会経済的・文化的な差が農民運動や農地改革にどのような影響を与えたかを論じ、第9章でベラスコ政権下で実施された農地改革を扱う。
第 IV 部 第11章では1980年代から90年代はじめの中米紛争の根本的な要因の一つとして農業問題をとらえ、第12章でニカラグア、サンディニスタ政権下の農地改革を扱う。

第 I 部 総論
第1章 ラテンアメリカの農地改革
第2章 ラテンアメリカの農業問題と地域類型

第 II 部 メキシコ
第3章 農地改革と農業政策の歴史的展開
第4章 エヒードの制度と実態
第5章 エヒードの事例
第6章 農業の二重構造と地域差
第7章 新自由主義のもとでの土地制度の変革とエヒードの変容

第 III 部 ペルー
第8章 ペルーの農民運動と農村社会
第9章 ベラスコ政権下の農地改革
第10章 フジモリ政権の農業政策とシエラの開発

第 IV 部 中米 
第11章 中米紛争と農業問題
第12章 ニカラグア・サンディニスタ政権下の農地改革
第13章 ホンジュラスの農地改革と農民運動
第14章 コスタリカの農業構造