シンポジウムのご案内

会員各位

近田亮平会員より、シンポジウムのご案内がありましたので、ご紹介いたします。

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JETROアジア経済研究所 国際シンポジウム

『成長と公正の両立を求めて —新しいブラジルの経験を中心に—』

経済成長と社会的公正の両立は、全ての国家や社会にとって重要かつ困難な課題だといえます。一般的に資本主義経済のもとでは、経済成長を優先すると格差が拡大するなど社会的公正は減退し、社会的公正を促進すべく福祉などを重視すると経済成長は鈍化します。

しかし21世紀初頭のブラジルは、2007年に債務国から債権国に転じ、2010年には7.5%のGDP成長率を達成するなど、経済的に目覚しい発展を遂げるとともに、社会保障制度の整備や条件付現金給付政策の実施により、貧困削減などの社会的公正も増進させました。それ以前のブラジルは、1980年代の「失われた10年」やハイパー・インフレなどの経済の混乱に加え、不平等の大きさなどの社会的な問題で世界的に知られています。しかし近年は、持続的な経済成長と社会的公正の両立を求め、今年6月に発生した全国規模の抗議デモをも教訓とし、国家の構造的な変革を試みている。そして経済成長と社会的公正に加え、民主主義の定着や外交面でのプレゼンス増大などにも注目し、米国などの著名なラテンアメリカ研究者が、近年のブラジルを「新しいブラジル」と捉える研究を発表しています。

本シンポジウムでは、経済成長と社会的公正の両立について、それを21世紀初頭に実現しながらも、最近国民の不満が爆発したブラジルの経験を中心に、ラテンアメリカ地域のもうひとつの大国であるメキシコとの比較も取り入れた議論を試みます。そのため、世界銀行のOtaviano Canuto開発経済総局上級顧問に社会的公正、ブラジル政府の研究所IPEAのPaulo Levy主任研究員に経済成長、ブラジリア大学のMaurício Bugarin教授に「新しいブラジル」について、その重要性や最近の動向をご講演いただきます。そして、国内のブラジルおよびメキシコ研究者をパネリストとして、最新の研究成果をもとに国際シンポジウムを開催します。

開催日時:2013年11月18日 (月曜) 13時00分~16時40分(開場:12時00分)

会場:国連大学 ウ・タント国際会議場

共催:世界銀行、朝日新聞社

申し込み等は下記サイトをご覧下さい。
http://www.ide.go.jp/Japanese/Event/Sympo/131118.html

(文責:アジア経済研究所 近田亮平)