東日本部会開催(1月6日)のお知らせ

下記の通り、東日本研究部会を開催いたします。前半は学会の活動を振り返る座談会、後半は通常の研究報告です。会員諸氏の積極的なご参加をお願い申し上げます。



開催日時: 2018年 1 月 6 日(土)13:30 ~18:10

開催場所: 専修大学神田キャンパス 5号館4階542教室

(東京都千代田区神田神保町3-8,  東西線・都営新宿線・半蔵門線九段下もしくは都営三田線・都営新宿線・半蔵門線神保町徒歩3分、JR水道橋徒歩7分)



・座談会(13:30~15:30): 

登壇者(五十音順、敬称略): 今井圭子、遅野井茂雄、清水透、高橋均、野谷文昭

司会: 受田宏之(運営委員)

オブザーバー: 落合一泰(理事長)、宮地隆廣(理事)



・報告(15:40~18:10): 

1) 長谷川悦夫(埼玉大学教育機構非常勤講師)「メソアメリカ東南辺境の古典期後期-ニカラグア太平洋岸での発掘調査成果を中心に」

要旨: 発表者は、ニカラグア太平洋岸のマナグア湖畔に所在する二つの遺跡で発掘調査を行った。本発表では、この二つの発掘調査成果とともに、ニカラグア太平洋岸からコスタリカ北西部の資料を広く概観して、後古典期のメソアメリカの東南辺 境にどのような社会が存在していたのかを論じる。テーマは、土器編年、考古学遺物から推測される生活様式、メソアメリカ的文化要素の出現についてである。

2) 山崎眞次(早稲田大学)「シエラゴルダの農民反乱」

要旨: メキシコ中央部のグアナフアト、ケレタロ、サンルイス・ポトシの3州に跨るシエラゴルダ地方では植民地時代からしばしば農民反乱が発生していた。19世紀の独立以降も反乱が続発したが、植民地時代より反乱に参入する農民の数が増え、規模が拡大し、期間も長期化した。本報告では反乱の原因、反乱のリーダー、反乱の大義に焦点をあて、エレウテリオ・キロスが率いた反乱(1847~49)発生のメカニズムを解明する。

3) 上崎雅也(東京外国語大学大学院総合国際学研究科)「ボリビアの教育改革と日本のODA ―94年教育改革と2010年新教育法の中での援助―」

要旨: ボリビアの旧保守政権が先住民教育を主眼に1994年に導入した「教育改革」と2010年に先住民系政権が制定した「新教育法」を比較し、更に前者の下で2003-2010年の間、実施された日本の教育技術支援(PROMECA)が果たした機能を検証する。両教育制度は、政治的に対立する政権が導入したが、基層部に多民族性と多言語性が共有され、実質的に継承されていると考えられる。PROMECAは海外からの援助を嫌う先住民政権により中止されたが、現場で評価された教育手法は「新教育法」に内包されていると仮説し検証する。

4) 浦部浩之(獨協大学)「ハイチ・ドミニカ共和国間の外交摩擦と二つの地域主義」

要旨: 2015年6月、ドミニカ共和国が新移民法に基づき6万3000人にものぼるハイチ系住民を本国に強制送還したことは、両国間のみならず周辺カリブ諸国の強い反発を招いた。このことが原因でドミニカ共和国のCARICOM加盟話は立ち消え状態になり、2000年代後半以降強まっていた環カリブ地域全体を包摂する地域協力の気運は後退している。この問題は、英領カリブ諸国の地域主義とラテンアメリカ主体の地域主義の間にある本質的な利害や共同体意識の相違を鮮明に映し出している。



問い合わせ先: 久野量一(東京外国語大学) rkuno@tufs.ac.jp  

        井上幸孝(専修大学) takaio@isc.senshu-u.ac.jp