会員新刊情報
加藤隆浩 編著『ラテンアメリカの民衆文化』
    	  行路社、南山大学ラテンアメリカ研究センター研究シリーズ3、2009年3月、291頁、
    	  ISBN978-4-87534-417-9 2,600円+税
この度、行路社から『ラテンアメリカの民衆文化』を刊行しました。ご一読いただき、本邦ではこれまで日の当たることの少なかったこの分野から、新しいラテンアメリカ研究が始まれば幸いと考えています。
本書の狙い
本書に出てくる文化要素は、ラテンアメリカに行けば誰もが遅かれ早かれ目に留め、体験する事柄であり、人々の生活に深く根差しその現実の諸相に関わるものばかりです。この本で問題とする民衆文化に注がれる視線は多くの場合冷たく、それが研究の対象となることはほとんどありませんでした。制度や理念、教養主義的な文化要素に焦点を当て、そこから見ただけのラテンアメリカ像をその現実だと錯覚してしまうと、そこから排除される部分があまりにも大きすぎるのではないか、という意味を込めて本書が編まれました。
構成は以下の通り。
目次
序…………………………………………………………………加藤隆浩 
    	  第1章 ネーションとドラマ 
    	  ――メキシコのテレノベラ…………………………………………梅本英二 
    	  第2章 ルチャ・リブレ 
    	  ――大衆文化のかたち………………………………………………加藤隆浩 
    	  第3章 死者の日か、それともハロウィーンか? 
    	  ――宗教的祝祭にまつわる諸言説に見るナショナル・アイデンティティ 
  
の表出……………………………………………………………河邉真次   
    	  第4章 癒しの死神を視る 
    	  ――サンタ・ムエルテの図像学序説………………………………加藤 薫 
    	  第5章 義賊 (bandido social) から民衆聖者 (bandito popular) へ 
    	  ――メキシコのマルベルデをめぐる民衆宗教の動態……………小林貴徳 
    	  第6章 民族衣装のメッセージ性を読み解く 
    	  ――マヤ文化圏の事例から………………………………………桜井三枝子 
    	  第7章 ラテンアメリカにおける怪物人種イメージ 
    	  ――その源泉と存在意義……………………………………………長尾直洋 
    	  第8章 ペルーの暴力 
    	  ――サッカーとよばれるスポーツ…ルイス・ミリョネス(上原なつき訳) 
    	  第9章 民衆芸術 ……………………………………………………藤井龍彦 
    	  第10章 ミロンガ――アルゼンチンタンゴの世界 ………………宮下克子 
    	  第11章 『リーダーズ・ダイジェスト』と日用品 
    	  ――「ブラジルにおけるアメリカ的生活様式の導入」再考 ……荒井芳廣 
    	  第12章 ラテンアメリカの食文化 …………………………………加藤隆浩
詳しくは、こちらをご覧ください。
    	  http://www.nanzan-u.ac.jp/LATIN/kanko/index.html

