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八木 百合子 著『アンデスの聖人信仰――人の移動が織りなす文化のダイナミズム』

臨川書店、2015年7月
http://www.rinsen.com/linkbooks/ISBN978-4-653-04251-8.htm

20世紀後半、土地問題やテロリズムの影響により都市への人口移動が進んだアンデス農村。本書はそうした大きな社会変動を経験したアンデスの人びとが、農村と都市とのあいだで、自らの信仰を力強く発展させてきた姿をフィールドワークと村の歴史記録を駆使して描き出した一冊である。

【目次】

序章

第1章 アンデス農村の聖人信仰 ―今日的状況―
   調査地概況/村落の聖人をめぐる宗教実践/
   村における聖人の位置づけの変容

第2章 村の聖人をめぐる諸相の変遷 ―歴史記録の解析―
   『聖人台帳』について/聖人をとりまく人びとを通じてみた祭礼の動向/
   奉納品からみた聖人信仰をめぐる状況

第3章 村落から都市へ ―首都リマの移住者と聖人信仰―
   都市移住の様態/リマに暮らす移住者の組織化/
   リマ移住者たちの聖人をめぐる実践

第4章 聖人をめぐる村落/都市 ―祭礼にかかる支援の様態―
   サンタ・ロサ祭礼の経済基盤/村落における支援獲得方法/
   都市において展開される祭礼支援

終章