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奥田若菜 著 『貧困と連帯の人類学‐ブラジルの路上市場における一方的贈与』

春風社 2017年2月 356ページ 定価3700円+税

格差社会ブラジルにおいて貧困層はどのような生活実践を行なっているのか――本書では路上商人に焦点をあてて、彼らの日常を描きだした。経済的に厳しい生活のなかで、彼らがどのように生きているのか、どのように助け合っているのかという連帯の作法を、「正しさの規範」と「善さの規範」という二つの規範から明らかにした。本書ではさらに、貧困に対する責任は誰にどこまで課されるのか、という責任の領域を考察している。

<目次>
序論  過剰と欠乏の息苦しさ
第一章 ブラジルの縮図としての首都ブラジリア
第二章 路上市場の民族誌
第三章 「汗をかいたカネ」と「伸びるカネ」
第四章 三つの一方的贈与―邪視・ねだり・物乞い
第五章 一方的贈与論
結論  連帯の作法