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『聖ヤコブ崇敬とサンティアゴ巡礼 ―中世スペインから植民地期メキシコへの歴史的つながりを求めて――』


田辺加恵、大原志麻、井上幸孝『聖ヤコブ崇敬とサンティアゴ巡礼 ―中世スペインから植民地期メキシコへの歴史的つながりを求めて――』 春風社、2022年3月、360頁、定価4,400円+税


 本書は、イベリア半島における聖ヤコブ崇敬の始まりから、大航海時代以降のメキシコにおける聖ヤコブ崇敬の展開までを扱っている。個別の研究では扱うことが難しい時間・空間を聖ヤコブ崇敬という一つの流れの中で捉えようとしたものである。3人の著者による共同研究(科研費JP17K02037)の成果で、中止となった第41回定期大会で予定されていたパネルの内容も含まれている。


目次

序章 聖ヤコブ崇敬をめぐる歴史的文脈と本書のアプローチ(田辺加恵・井上幸孝)
第1章 スペインにおける聖ヤコブ崇敬およびサンティアゴ巡礼の始まり(田辺加恵)
第2章 サンティアゴ巡礼の最盛期―聖ヤコブの騎士化とその影響(田辺加恵)
コラム①  聖ヤコブ図像の三類型(田辺加恵)
コラム②  ラテンアメリカ各地のサンティアゴ表象(大原志麻)
コラム③  メキシコの聖ヤコブ表象(井上幸孝)
第3章 後期中世におけるカスティーリャ王権と「サンティアゴ政策」の衰退(大原志麻)
第4章 ヌエバ・エスパーニャのサンティアゴ崇敬におけるカスティーリャ貴族同盟の役割(大原志麻)
コラム④  現代のサンティアゴ巡礼(田辺加恵)
コラム⑤  サンティアゴ巡礼路と熊野古道(大原志麻)
第5章 メキシコ征服と聖ヤコブ―クロニカにおける聖ヤコブ出現の記述を中心に(井上幸孝)
第6章 メキシコ先住民にとっての聖ヤコブ崇敬―征服以降の受容の実態をめぐって(井上幸孝)